2013年4月15日月曜日

展覧会 終了



展覧会が終了しました。
応援してくださったみなさま、お越し頂きましたみなさま、本当にありがとうございました。


ミラノに工房をもつニットブランド・ユリパークさんのショールームにて、作品の展示、そしてユリパークさんのニットに私のボタンをつけて頂くというコラボレーションを行いました。平日はスタッフのみなさん・職人さんと共に過ごし、まるでスタッフの一員になれたような気持ちで在廊することができました。
ニット、職人、技術、糸...、そして『ものをつくる』ということに真っ正面から向き合っているユリパークさん。そこから生まれてきたニットに自分のボタンがつくことに感激すると同時に、自分のボタンへの勉強・経験・知識不足を恥ずかしく思う気持ちが湧き上がり、とても複雑な心境でした。 



- YURI PARKさんでの展示の様子 -





『イタリアに住みたくなるんじゃいないの?』
『イタリア人と結婚して日本に帰ってこないんじゃないの?』

なんて言われ続けてきましたが(笑)、今私の脳裏に濃ーく浮かぶのは、復職する服飾資材商社の会社と、一緒にボタンを作っていたボタンメーカーさん、ボタンの工場の風景です。ミラノでたくさんのものを見て働いて経験し、そして到着した場所は『日本でもう一度、一からボタンの勉強がしたい』ということでした。自分の手で物を作るということは私の生活からは切り離せないことなので復職後も続けて行きますが、でもまず、会社の一員として働き、そしてその中から勉強させてもらうことに集中したい、そう思っています。


- もう一つ、Ateriel Yoojさんで行ったランプの展示 -
Ateriel Yoojさんでのカクテルパーティーには、スタジオの社長とスタッフのみんなも来てくれました。この写真を、撮影時外出してしまっていたダニエレに送ると、すかさず自分の写真を合成して送り返してくれました。本当に、楽しい職場です。

2013年4月9日火曜日

SALONE DEL MOBOLE


1 :   conte
      sumie  Yuuka Miyazono + YURI PARK 
    


Opening hours      Tuesday 9 April  to  Sunday 14 April    10:00 to 19:00

Location                 ANJL di YURI PARK  -  Via Pasquale Paoli, 8  20143 Milano
                                web : www.yuripark.com






2  :  Ateriel Yooj +

The design exhibition of lampshade DRESSING THE LIGHT, CAPOTTINO and dining plate WHEEL OF NUTRITION.
Designed by Ryosuke Fukusada + Yuuka Miyazono, Rui Pereira + Hafsteinn Juliusson for HAF 

in cooperation with Jeong-Ah Yoo at Atelier Yooj and Axo Light





Opening hours      Tuesday 9 April  to  Sunday 14 April    10:00 to 19:00
                             
Cocktail party      Thursday 11 April  19:00 to 22:00
                             
Location                 Ateriel Yooj  -  Via Mortara, 4  20144 Milano
                                 web : www.atelieryooj.com/









2013年2月14日木曜日

MIGLIORE+SERVETTO


今日は、ミラノで通っているスタジオのお仕事を紹介します。


“建築事務所”と聞くと、建物を建てるイメージがありますが、
それだけではなくて美術館、店舗のデザイン…多種に渡ります。
MIGLIORE+SERVETTO

スタジオの中で、仕事に合わせてグループが結成されます。
同時期に複数の仕事を手がけられているため、
所長の二人はいつも忙しそう。
それでも、冗談や笑いが絶えない素敵なスタジオです。

建築学科でも空間デザイン専攻でもない私ですが、
卒業後、イラストレーターとフォトショップを使ってボタンなどの
資材をデザインしていました。
ということで、スタジオではこれらでできる仕事を担当しています。




現在、ブラジルで開催されている
“GIUGIARO, 45 ANOS DE DESIGN ITALIANO”
イタリア人プロダクトデザイナー、
ジョルジェット・ジウジアーロの作品を紹介する展覧会です。
このスタジオが展覧会全体のデザインを手がけられたのですが、
キャプションに使用される各プロダクトのアイコンや説明パネルに
描かれるイメージの画像を描かせて頂きました。

ブラジルへは行けませんが、
搬入後やオープニングパーティーの写真がメールにて送られてきます。 
スタジオの一人が「写真が届いた!」と言うと、
スタジオのみんながワーッとそこに集まって写真を鑑賞します。
自分の手がけたものが展覧会の一部になっていることを知る、
とても嬉しい瞬間です。

私が描いたアイコンはシールとして印刷され、会場に貼られています。 
「ゆうかが手がけた仕事だから、試作品のシールの一つをあげるよ。」
とクリスティーナがくれたGIUGIAROシール。
大切に、手帳に貼ることにしました。 

「ボタンのデザイナーなのに、何で建築事務所に通うの?」
そう聞かれることも多くあるし、私自身もずっと…不安でした。
でも、異業種の世界に飛び込めたからこそ、新しい視点や、
感覚が手に入ったように思っています。

そして何よりも、言葉もろくに分からず、トンチンカンなイタリア語しか
話すことのできない私に、 明るく話しかけてくれて、
そして仕事を任せてくれる、このスタジオのみんなと一緒に過ごせていることが
今の私にとって貴重な時間だと思っています。





2012年12月31日月曜日

イタリアのクリスマス


イタリアでは一般的に、クリスマスは家族と、お正月は友だちや恋人と過ごします。
これを聞いて1人で過ごすクリスマスを覚悟していた12月のある日、
ミラノで知り合ったイタリア人の友だちから『我が家のクリスマスに招待するよ』という嬉しいメールが届きました。
『クリスマスはとにかくたくさん食べるから、その前の3日間は絶食しておいてね』 と冗談混じりの忠告付きで。

そして当日。
集合は13時、到着するとご両親、兄弟、いとこ、親戚…10人くらいの方々が温かく迎えてくれました。
そしてすぐにお昼ごはん。
“たくさんの時間をかけて作っても、食べ終わるのはあっという間”という説明の通り、
あっという間にごちそうたちがお腹の中に。写真を撮るのを忘れるほど美味しい料理でした。
(最後のクッキーのみ、撮影。)

つぎに、ビンゴのようなゲーム『tombola』
50セントと少しの額ですが、お金をかけているので大人も子供も必死です。
そうこうしていると、なんと!!!家にサンタさんがやってきました。
親戚の方の1人が、小さな子どものために変装してくれています。
それを分かっている私も一緒になって大喜び。
子供の頃、ずっと憧れ続けていたサンタさんにやっと出会えたような気がして、感動してしまったのです。
そしてなんと、私にもプレゼントがありました。
手紙の差出人には、招待してくれた友だちとそのご両親、弟さんの名前が。
親戚の方々からも個別にプレゼントがあり、大感激でした。
(イタリアではクリスマスに親しい人たちでプレゼントを交換します。
そのため、スタジオのみんなもクリスマス直前はプレゼント購入で忙しそうでした。)


とってもあたたかなクリスマスの風景ですが、実は、
ここにいたメンバーの中には、友人のおじさんの現在の奥様とその間の3歳くらいの子、
そして前の奥さんとその間の15歳の子、という関係性もありました。
イタリアは『拡大家族:前の結婚からの連れ子のいる夫婦を含む家族』という言葉が
日本よりも浸透しているそうです。
離婚や再婚を経験しても、それでもまた、みんなで楽しい時間を過ごせるイタリア人たちに
尊敬の思いを抱くと同時に、皆が各自宅に帰っていく別れ際、涙目になっているように見えた
15歳の子の背中を無意識に撫でてしまった私です。

他の国の文化を知ること、
それによって今まで自分が抱いていた価値観やコンプレックスが大きく揺さぶられます。
今まで『絶対だ』と思っていたものは、本当は不安定で変化していくものだったことを、
今ここで学んでいます。


2012年11月15日木曜日

カラオケ と girls


最近のこと。


1

スタジオのみんなとカラオケに行きました。
イタリアにもカラオケがあるのです! 発音もこのまま、カラオケ。
でも個室ではなくて、日本で言う温泉の宴会場みたいなかんじ。
カラオケにみんなで行った理由は、スタジオのスタッフの送別会をするため。
そしてこの会の企画者は、退社する子本人。イタリアでは“主役が幹事さん”になります。
(ちなみに誕生日も。自分の誕生日にケーキやお菓子をみんなにふるまいます。)


“今晩、カラオケ”


レストランにいるお客さん全員で歌うので、なかなかマイクは回って来ません。


曲と番号が一覧になっていて、紙に数字を書いて店員さんに渡します。


帰りはヴァレンティーナに車で送ってもらいました。ありがとう。




2

実は、日本ではユニットとしても作家活動をしています。
→ girls
編集者の林央子さん(『here and there』発行人。著書に『拡張するファッション』『パリ・コレクション・インディビジュアルズ(1,2)』 など)のファン、という共通点で集まった4人です。

そのメンバーであり、画家・詩人の山口智子さんがミラノに来られ、一緒にベルリンへ行って来ました。
その旅の様子をとてもステキにブログにまとめくれていますので、ここで紹介します。
→ いつもポケットに◯◯
褒め上手な智子さん…。実際の私はそんなにしっかりしていないので、とてもとても恐縮なのですが...。
でもこの智子さんブログ、今の私にとっては宝物のような、お守りのような、そんな存在です。





2012年11月10日土曜日

さっちん


朝から雨。
週一回、家の近所で開かれるメルカートへ野菜と果物を買いに行く予定がおジャンです。

そんな朝、“さっちん”こと、ヒライサチエさんから荷物が届きました。

さっちんは羊が大好きで、いつも原毛(羊の毛)を紡いでいた子。
材料でごった返した教室の片隅で、大量の原毛に埋もれながら、NHKの語学放送を聞きながら、いつも紡ぎ機の前にいました。
卒業後は北欧へ、羊に囲まれて、糸を紡ぎ、その糸で布を織ったり編んだり…。
作品も生き方も、いつも純粋でストレートで正直。そして努力家。


そして、さっちんが送ってくれたもの、なんとそれは手編みの手袋!!
スウェーデンのエーランド島の羊の毛、とのこと。
手袋買いたいと思っていたんだけど、さっちん、どこからか見てた?w

スウェーデンで羊毛のことを沢山勉強してきたんだろうなぁ、と想像させてくれる同封してくれた冊子。
さっちんの人生が詰まったようなこの手袋、私の生活に入り込んで、そして馴染んでいくってすてきなことだなぁと思いました。





2012年11月5日月曜日

蚤の市




ミラノでは、主に月末の日曜日にいろいろな場所で蚤の市が開かれています。



いつもお世話になっている女子美イタリア支部の奈津子さんの旦那さまは蚤の市好き。ということで、車で連れて行って頂きました。

奈津子さんと、旦那さんであり舞台装置家のAntonioさん、とても素敵なお二人で、ご自宅に招待して頂いたり、一緒にお食事したり、いろいろな場面で支えて頂いています。
感謝してもしきれない、自分が出世したら絶対恩返ししたいと思うお二人です。(その為にも頑張らないとね…。)


さて、蚤の市ですが、目のやり場に困るほど商品と店舗で溢れています。
行くたびにソワソワしてしまう私ですが、先日、奈津子さんからこんなお言葉を頂きました。
「本当に縁があるものは、ものが自分を呼んでくれる」
だから、焦る必要はないそうです。あぁそうか、と純粋にそう思いました。
思えば、ものに限らず、人も仕事もなんでも、そうだと思ったのです。

最近読んだ本の引用です。
人はみんな、道はたくさんあって、自分で選ぶことができると思っている。
選ぶ瞬間を夢見ている、と言った方が近いのかもしれない。
決して運命論的な意味ではなくて、道はいつも決まっている。
毎日の呼吸が、まなざしが、くりかえす日々が自然と決めてしまうのだ。